panorama

Exhibition Report / Reported by m.makino

三人のレースガラス
2012.2.1-7
@日本橋高島屋/東京
» 日本橋髙島屋6階美術工芸サロン

三人のレースガラス

会場風景 神奈川県三浦市にある潮工房で制作をしている小西潮さん。
彼は、近々panoramaウェブサイトに登場する予定のガラス作家さんだ。

彼が三人展を開くと言うので、さっそくMakino Reportに出かける。
場所は、東京の日本橋高島屋。
展覧会は「三人のレースガラス」と題していた。
三人とは、加倉井秀昭さん、佐々木伸佳さん、そして小西潮さんだ。
つまり、男ばかりの三人展である。
しかも、レースガラスばかりの作品展というから、なにやら面白そうだ。

訪れたのは初日午後、ちょっと緊張気味な面持ちの
小西さんが会場に立っていた。
会うのは約一か月ぶり。潮工房を訪問して以来。
私が工房を訪問したときは、この展覧会の一か月ほど前で、
ちょうど三人展に向けて様々な制作や試みを行っている時だった。
この一か月間、お正月返上で頑張って制作をしたそうだ。

会場風景
会場には、ところ狭しとたくさんの作品が並んでいた。
小西さんの作品は、とにかく色と形が豊富で、色とりどりの作品は会場を一層明るくしていた。
あっ、あの時の子たちはこんなシリーズに出来上がったんだ・・・。
お~、こんなに沢山の種類の色を作ったのね・・・。
ほ~、これは新しい作品だ。
おや、こんな大きな作品をいつの間に・・・。

会場風景
小西さんの持ち味である色は、いつでも人を楽しませてくれる。
最初は好きな色の作品を手にしていたのに、気が付くと違う色の作品を買っていたり、
好きな色と違う色との組み合わせを選んだり。それらを探し出す楽しみや、こんな色も時には使ってみたい。
そう思わせてくれる作品だ。

会場風景
加倉井秀昭さん(写真左)と佐々木伸佳さん(写真右)の作品も拝見。
加倉井さんは、レティチェッロという格子模様の作品も多く並んでいる。
この技法、綺麗に格子模様を表現するのが大変と聞いている。
佐々木さんは、レースガラスにインカルモという技法を合わせた作品を多く出品。
レースだけでも大変なのに、更に手間のかかる技法の組み合わせには驚いた。
三人のそれぞれの持ち味が表現された展覧会だと思った。

私が会場にいるとき、あるお客様が茶会用の菓子器として小西さんのお皿をいくつか買い求めていた。
そのお客様は、小西さんと相談しながら、形を選び、色を選び、
使う様子を想像しながら、楽しそうに作品を選ばれていた。
ここ数年お茶を習っているという小西さん、いい話し相手となったようで、
話が弾んだ二人はとても楽しそうだった。

ヴェネチアンガラスの技法であるレースガラス。
色、模様、そして形。レースガラスの魅力を、男子三人が余すところなく全開にした展覧会です。
言葉にすると硬く感じるけれど、とっても華やかで楽しい展覧会です。

Photo & Reported by m.makino