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Interview 西浦裕太 聞き手:根本美恵子(ギャラリー「日々」コーディネーター 文・構成:竹内典子 Feb. 2012

風景を描く彫刻

せつなさとやさしさが同居する
大人のおとぎ話。
作品イメージ:西浦裕太展@エポカ ザ ショップ銀座 日々
この写真を使用した展覧会の作品集「banquet」を
会期中200部限定で販売いたします。

根本
もうすぐ「日々」での作品展が始まりますが、どんなテーマになりそうですか?

西浦
日々さんにある大きいテーブルをメインステージとして、そこで「晩餐会」を繰り広げられたらと思っています。夜、人が寝静まった頃に、小さな生きものたちがそっと現れて楽しくしているという設定です。

根本
あのテーブルが、宴の場となるのですね。

西浦
賑やかな晩餐会というよりは、どこからか小さな足音やささやきが聴こえてくるような雰囲気にしたいと思います。

根本
日々では初めての西浦さんの作品展となりますので、作品に浸るための見どころなどを教えていただけますか?

西浦
作品展のお話をいただいた際に、作品は自由に、器にはこだわらなくてもいいと言っていただきました。むしろこだわらない方がいいというニュアンスだったのかもしれませんが(笑)、僕は僕なりの器をつくってみたくて晩餐会ということにしました。実用性は二の次三の次ですが、器の上の風景、そのまわりにつながる風景を楽しんでいただけたら嬉しいです。

根本
西浦さんが最初に仰っていましたが、自分の作品で誰かが幸せになってくれたらいいなという思い。昨年の震災などもあって、ものづくりの方の多くが考えていらっしゃると思いますが、今回の作品にも、そういうところはありますか?

西浦
ありますね。常に考えています。以前、僕の絵の個展にいらした方の一人が、一つの作品の前に3時間くらい立ち尽くしていたことがありました。僕は声を掛けることもできなかったのですが、すごく心を打たれてその作品を差し上げました。その方がどんな想いでその作品を見つめていたのかわかりませんが、それぞれ様々な心境にある人に、幸せな気持ちというだけではなく、日々の流れの中にフッと吹く風のようなでき事になれたらと思います。

根本
「大人のおとぎ話」というところを私の中ではいちばんわかりやすい解釈として捉えていたので、このインタビューを通じて、より解釈が深まった気はしますし、ご覧になられる方にもお伝えできたらと思います。

西浦
有難うございます。

根本
作品展を楽しみにしております。
今日はどうも有難うございました。

作品イメージ:西浦裕太展@エポカ ザ ショップ銀座 日々
西浦裕太展@エポカ ザ ショップ銀座 日々

西浦裕太展「banquet」

2012.3.2~7
@エポカ ザ ショップ銀座 日々

2012年3月2日(金)〜7日(水)

» エポカ ザ ショップ銀座 日々

03-3573-3417
東京都中央区銀座5-5-13
●地下鉄 銀座駅B6出口より3分

インタビューを終えて

作品からは留まった時や開放的な風景が見えてきます。
西浦さんの中では、時間の流れ方が特別なのかもしれないとお話を伺っていて感じました。
終点はまだずっと先ですが、やるべきことは何か、
わかっていらっしゃるそんな気がしました。
今回の作品展を通じて、西浦さんのエネルギーや表現したい事を
感じ取っていただけたら、嬉しいです。

根本美恵子

ギャラリー勤務を経て、2004年エポカザショップ銀座・日々のスタートとともに、コーディネーターを勤める。
数多くの作り手と親交があり、日々の企画展で紹介している。
» エポカ ザ ショップ銀座 日々

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