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対談イメージ

パノラマ座談会「焼き物の創造性を楽しむつくり手」広瀬一郎 [西麻布 桃居] × 竹内紘三 × 田淵太郎

二人展に向けて

広瀬 今回の二人展では、お二人はどういう出品になりますか?

田淵 お互いに、普段は磁器ものも土ものもつくってるんですけど、今回の桃居さんでは、僕は窯変の白磁を、竹内は土ものを出すことにしています。

作品イメージ:田淵太郎

竹内 黒い作品が中心で、キューブを組み合わせた花器を中心に出します。田淵の薪窯で焼成した僕のものも、結構たくさんあるので見てもらいたいです。窯から出した時と、時間をおいてまじまじと見た時では違って見えるし、感じることは毎回、場所によっても日によっても違うので、こちらでの展示を楽しみにしています。

作品イメージ:竹内紘三

広瀬 物って面白いですよね。同じ物でも展示する場所によって見え方が違うし、隣に何を置くかによっても違いますね。

竹内 今回、「桃居」さんでは田淵との二人展。銀座の「日々」さんでは、僕の個展を同時開催します。そちらでは白磁を中心とした器、オブジェなど白い作品を発表しますので、二つの会場で、黒と白、かなり印象の違う作品をご覧いただければ面白いと思います。ぜひ、いろんなことを感じてほしいです。

竹内紘三個展 @ エポカザショップ日々/銀座 DM
竹内紘三個展 @ エポカザショップ日々/銀座

田淵 僕は香川の人間なので、こちらにあるジョージ・ナカシマの家具にすごく親近感があって。初めて桃居さんにお邪魔した時から、このナカシマの家具に展示するということに憧れていました。どういう展示の景色になるのか、すごく楽しみです。

広瀬 その辺の二面性も、工芸の面白さですね。用のためとしては、たとえばこのジョージ・ナカシマのベンチだったら、人が座って使うわけですけれども、同時に、ナカシマの椅子からいま田淵くんが言ってくれたように、表現としてのあるサムシングも感じとれる。お客さんもその両方を見てくれていると思います。

お二人のつくっているもののレベルも、どんどん上がってきています。桃居で竹内くんの個展をやってから3~4年が経ちますが、最初の遺跡から刺激を受けたシリーズと、今の現在進行形でつくっているものを見ても、やはり深くなっています。テクスチャーのつくり方一つにしても進化しているところをご覧いただけます。

座談会イメージ:広瀬一郎

また、白磁を薪窯で焼き、窯変を見せ場にしていこうという田淵君の方法論は、新しい挑戦だと思います。さまざまな試行錯誤を重ねて、最近の作品には安定感がでてきました。白い磁土に、淡いピンクや紫の窯変があって、清潔感と同時にエロティックな匂いを感じる、不思議な魅力を見せてくれる焼き物になっています。ただ、「窯変」である以上、コントロールできる範囲は限られますから、変化が過剰であると、トゥーマッチな印象になるし、少ないと薄味になってしまいます。そのギリギリ、キワキワなところで成立する難しい仕事なので、苦労も多いでしょうが、狙い通りのものが窯から出た時は、喜びも大きいのではないでしょうか。その辺りも見所の一つだと思います。

田淵 「焼き物」の魅力を伝えられるような展覧会にしたいです。

広瀬 有り難うございました。

竹内紘三・田淵太郎 二人展 @ 桃居/西麻布

竹内紘三・田淵太郎 二人展

2011/9/30(金)〜10/4(火)
@桃居/西麻布

2011年9月30日(金)〜10月4日(火)
桃居 http://www.toukyo.com
03-3797-4494
東京都港区西麻布2-25-13
●地下鉄日比谷線六本木駅より徒歩10分
都バス西麻布バス停より徒歩2分
同時開催 竹内紘三個展 @ エポカザショップ日々/銀座
2011年9月30日(金)〜10月5日(水)
» 日々 -にちにち-
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