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赤い器

少し大きめの皿と鉢、そして平らな角皿。西川聡さんのつくる赤い器シリーズの中から、この3種類の器を選んで、西川さんご自身に料理づくり(甘味は除く)と盛りつけをしていただきました。「使う人によって、使い方によって、いろんな雰囲気が生まれるんです」と西川さん。主菜の器としてはもちろん、用途を広げた自由な使い方をご紹介します。

ワンプレート

一皿の中に、美味しく美しく食べることの愉しみを集めてみる。大らかに広がる皿は、複数の食材をバランスよく盛りつけられて、食材の活力が伝わってくる。

甘味

素朴なもの、素材に丁寧につくられたもの、季節のもの…小さな特別を味わうひととき。その幸せに寄り添う器があるだけで、満足度は大きく変わる。

風景

食器ではあるけれど、使い方は日々の中にいくつもある。菜園で採れたばかりの野菜を入れて眺めたり、インテリアの室礼に使ったり。

酒膳

お酒に合わせて、酒肴を盛りつける。和洋どちらにも自在に使える器だから、その日の気分に合った雰囲気をつくりやすい。

少し深さがあり、鉢として使うのはもちろんですが、皿として使っても用途が広がります。鉢らしく煮物や炒飯に使ったり、皿としてお菓子などをのせたり。 西川聡「赤い器‐鉢」…13,200円(税込)
*在庫切れの場合は受注を承ります(納期はお問い合せください)
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口径24センチ、少し大きめの皿。肉、魚、野菜料理、どんなおかずを盛るのにも便利な使いでのあるサイズです。 西川聡「赤い器‐皿」…16,500円(税込)
*在庫切れの場合は受注を承ります(納期はお問い合せください)
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平らなので、料理を見せるのに向きます。皿のどこにでも均等に置けて盛りやすいです。また、台のような使い方をして何かをのせても。 西川聡「赤い器‐角皿」…8,800円(税込)
*在庫切れの場合は受注を承ります(納期はお問い合せください)
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つくり方について

土で成形して素焼きをしたら、黒い色を薄く塗って本焼きをします。そして、弁柄を主体とした赤絵を塗って、再び焼きます。最後に、漆を2〜3回染み込ませています。漆を塗っている理由はいくつかありますが、いちばんは防水です。水が染み込まないので、料理を選ばなくて使いやすいですし、油ものでもたいていは大丈夫です。

微かなテクスチャーは、いろいろな方法がありますけれど、主に、表面に土を刷毛で塗って化粧しています。そうすることによって、赤色の表現に深みが出ますし、素材感も出ます。

初期の作品(参考)

赤い器シリーズについて

最初に赤い器をつくったのは20年くらい前。旅行が好きで、その頃はアジアに度々行っていて、帰国すると展覧会をやっていたんです。たまたまインドに行く機会があって、インドのイメージが「赤」だったんですね。それで、帰ってきて展覧会をする時に、「赤い器でカレーを食べる」というイメージでつくったことがきっかけです。当時つくっていたのは、いまよりも朱色に近い赤でした。それからずっと試行錯誤しながらつくり続けていて、最近は少しくすんでいる、朱色よりも暗い赤になっています。その方が、料理を盛った時に料理映えがするんです。(パノラマインタビュー参照

器を使うこと

器をつくる時、最初に料理をイメージすることはありますけれど、僕の場合は、シーンをよく考えます。「場の雰囲気」が大切だと思うからです。たとえば、他の器との取り合わせは重要です。それは日本の器使いの特徴ですし、取り合わせた時のバランスのほどよさというものが場の雰囲気にもつながります。

僕自身、料理をすることは多いので、料理をつくりながら、この器にはこんなふうに盛ったらどうかなとか使い方をいろいろ考えます。洋食でも和食でも、料理のスタイルで盛るというよりは、自然な食材を使ってそれを美味しそうに盛りたいんです。それで、器の形状はシンプルに、ちょっとだけズレたり歪んだりしたものをつくっています。その「ちょっと」という形の変化が気に入っていて、そこは意識しています。食器ですから主役は料理。盛りつけた時に料理の邪魔にならない、器が主張し過ぎないくらいの形のズレや歪み、色、テクスチャーの表現であればバランスいいのかなと。

つくり手ですけれど、器を使うことも大好きです。自分が愉しんで使う、ということがあると、つくる時に細かなところにも目が届きます。器はサイズだけでなく、深さも大事ですし、形で見ると外側を考えがちですけれど、内側も重要で、そこが使った時の盛りやすさ使いやすさなどにつながるのでこだわっています。

おかずだけでなく、刺身やパスタでもいいし、お菓子を盛ってもいい多用な器。だけど、真っ白なプレーンな器とは違って、使う人によって変化するというか、場の雰囲気を変えられるような器をと思ってつくっています。

撮影協力:西川聡・大隈美佳
文・構成:竹内典子
写真:大隅圭介