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「器のかたち × こころみの硝子」 谷口嘉 × 銀座 日々 × panorama

「器のかたち × こころみの硝子」 2016.9.1


文・構成:竹内典子 / Sep. 2016

ガラス作家・谷口嘉さんと銀座のギャラリー日々、そしてパノラマで取り組んだ、新しいガラスの器づくり。その初披露となる展覧会「谷口嘉10DAYS 器のかたち×こころみの硝子」が、9月2日(金)から11日(日)まで、銀座日々にて開催される。

作品展イメージ

このコラボレーションが始まったのは約1年前。「パノラマの大隅さんから、谷口さんのつくられた器を見せていただいたのがきっかけです」と日々の根本美恵子さんと今岡美樹さん。近年、谷口さんはガラスによるインスタレーションを中心に活動しつつ、器も制作していた。ギャラリー「MITATE」で行われた昨年の作品展には、クリアな片口やぐいのみなどが並んでいて、そのなんとも言えない素直な佇まいに惹かれた大隅さんが、日々と谷口さんの双方に、新しい器づくりを持ちかけた。

「器は少しずつつくっていましたけれど、何となく気になっていたところもあって。日々の根本さんと今岡さんに自分の器を見ていただいて、形のことや技術的なことを話合う中で、今まで気になっていたところをさらに意識して、よいものがつくれるようになりました」と谷口嘉さん。

今回のコラボレーションではじっくりと3回の打ち合わせが重ねられ、制作現場での意見交換も行われた。そして完成したのは、「型吹き」によるオーバル型、丸型、八角の器、七角の片口とコップとぐいのみ、グラス、「宙吹き」によるサーバー、ドリッパー、カラフェ、ぐいのみなど、サイズ違いも含めた15アイテム。

打ち合わせ風景
銀座のギャラリー日々での打ち合わせ風景

「中でも、オーバル型のガラスの器は、ありそうでなかった形です。底面が平らで広く、器としてしっかり盛ることができます。縁にのせた金彩のマットな質感など、実際に手に取ってご覧いただきたいものです」と日々のお二人は声をそろえる。

型吹きのガラスの器は、光の下に置いてよく見ると、影の中に小さな気泡が揺らいでいる。シンプルでクリアなガラスの中に息づいているささやかな表情は、コンクリートの型ならではの自然な粒子の名残とか。さり気なくもやさしい捉え方に、谷口さんのまなざしが垣間見えて楽しい。

八角とオーバル型の器

また、宙吹きのサーバーやカラフェは、改良が重ねられて使い勝手がよいものに。
「最初に谷口さんが見せてくださった時から、コーヒーサーバーはとてもかわいらしくて。コーヒー好きの私は迷わず“自分で使いたい”と思ったものです」と今岡さん。
「私は夏だけではなくて365日使えるガラスだなあと。コーヒーはもちろん、ワインや日本酒にもいいですよね」と根本さん。

作品イメージ
作品イメージ
作品イメージ
左上から/金縁 八角小鉢/七角 グラス/カラフェ 小/金縁 丸平鉢/サーバー&ドリッパー/グラス

展覧会タイトルそのままに、それぞれの立場から意見を出し合い、丁寧な作業を積み重ねてできあがった器たち。その一つ一つに、ストーリーが聞けることだろう。

器のかたち × こころみの硝子 谷口嘉10DAYS

器のかたち × こころみの硝子 谷口嘉10DAYS

2016/9/2(金)〜9/11(日)
@エポカザショップ日々/銀座

12:00 - 19:00(最終日17:00終了) 無休
作家在廊日/9月2・3・4・10・11日
日々 -にちにち-
http://epoca-the-shop.com/nichinichi/
03-3573-3417
東京都中央区銀座5-5-13
●地下鉄 銀座駅B6出口より3分