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器・家具

技法のはなし

技法のはなし
羽生野亜・談

作品のタイプで、いくつか技法は異なりますが
木の表情が強い器について、断片的ですが触れてみます。

まず使用する道具は…

手押し鉋盤
帯鋸
ジグゾー
チェーンソー
電動カンナ
電動曲面カンナ
ディスクブラシ
切れる反鉋
切れない反鉋
切れないノミ
玄能
マイナスドライバー
各種鉄ヤスリ
紙ヤスリ

特別な道具は使用していません。
その道具の使い方や木との関わり具合など、感覚の方を重要視しています。

たとえば、鉛筆をナイフで削るとします。
多分経験者なら、刃先を無意識に同じような角度で当て、木部を削り始めるでしょう。
鉛筆の後部から芯の先端に向かって、その円錐形を意識しながら。
おそらく、逆方向に、芯の先端から鉛筆の後部へ削るという人はいないでしょう。
でも、その発想が大事です。
実際に、そのような非常識?な角度から刃物を使用すると、
思いがけない木の表情が現れます。怪我をしやすいのですが。

また、字を覚える前の子供が書く、鉛筆の線に興味がありました。
よく観察すると、握力がないので、鉛筆が紙の上でフラフラしていました。
早速、ノミやカンナをやさしく握ったり、手首の力を抜いたりと
真似てみましたが、これは危ないだけで失敗でした。

でもこのような失敗や試行錯誤の中から、
今の技法が形成されたと思っています。

それから、着色について。
煤けた風合いを出すために、草木染めと化学染料を併用しています。

塗装については、紆余曲折しています。
さまざまな塗料を試した結果、今はウレタン塗料を少量使用しています。
ウォッカのような透明感は、ケミカルな塗料でしか表現できないのです。